HHKB(Happy Hacking Keyboard:ハッピーハッキングキーボード)は、東京大学名誉教授の和田英一先生とPFU研究所との共同研究によって生まれたキーボードであり、キーボードに接する時間の多いプログラマー、ハッカーやライターなどに昔から愛されてきました。
この記事では、これからHHKBを購入したい方に向けて、現在販売されているHHKBの全シリーズの特徴をご紹介します!
HHKBの特徴
まずは、HHKBの特徴をご紹介します。
特徴1.HHKB独自の設計理念
特徴の1つ目は、HHKB独自の設計理念です。
HHKBの誕生は、和田先生が「マイキーボードを作りたい」と考えたことが発端となっています。和田先生は、コンピュータのプロが打鍵しやすいようにキー配列を最適化し、不要なキーを削ぎ落した「Alephキーボード」を考案しました。このキーボードがHHKBの原型となっています。
以下は、HHKBの理念をよく表現した和田先生の言葉です。
アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
東京大学 和田英一 名誉教授の談話
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。
カウボーイにとっての鞍のように、コンピューターのプロが生涯使い続けられるキーボードとして、3つの条件のもとHHKBが作製されました。
- ASCII配列(英語配列)を基本とする
- 十分な深さのストロークがある
- 持ち運べるように小さく、軽く、かつ十分な強度を実現する
特徴2.ハッカーやプログラマーに最適なキー配列
特徴の2つ目は、ハッカーやプログラマーに最適なキー配列です。
HHKBが他のキーボードと一線を画すのは、なんといっても配列です。HHKBは、配列に強いこだわりがあります。

UNIXユーザであった和田先生とPFUの技術者とが、Alephキーボードの配列をベースに意見交換を行い、HHKBの配列が完成しました。
以下は、HHKBの配列のポイントです。
- ControlキーをAの左に配置する
- ESCキーを1の左に配置する
- Returnキーを1段分にしてその上にDelキーを配置する
- テンキー、ファンクションキーは不要なので省く
- ファンクションキーを使用するアプリケーションのためにFnキーを設置する
Controlキーと他のキーのコンビネーションを多用するUNIXユーザー、ハッカー、プログラマーにとってはControlの位置は非常に重要です。効率性を重視するハッカーほどホームポジションから移動距離の近い場所にControlがあることを好みます。
特徴3.静電容量無接点方式のキースイッチの採用
特徴の3つ目は、静電容量無接点方式のキースイッチの採用です。
現在も製造・販売されているHHKBの各モデルでは、キーボードにおける最上級スイッチング方式である静電容量無接点方式のキースイッチが採用されています。静電容量無接点方式は、耐久性の高さや静音性、心地よいキータッチを特徴とする、高級キーボードに採用されているキースイッチです。

HHKBは、静電容量無接点方式の採用によって「理想のキー配列」と「理想のキータッチ」を実現し、コンピューターのプロの大きな支持を得ています。
HHKBのラインナップまとめ
HHKBの特徴を見たところで、続いて商品紹介に移ります。ここでは、現在も製造と販売が継続されているモデルをご紹介していきます!
Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S

まずご紹介するのは、「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-S」です。
Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-Sは、HHKBのフラグシップモデルであり、価格も3万5千円(税込)を超えます。
キースイッチには、静電容量無接点方式のキースイッチが採用されており、特にこちらのモデルは高速タイピング性(Speed)と静粛性(Silent)に優れたキー構造をしています(「Type-S」のSは2つの頭文字から来ています)。
接続方式は、Bluetooth接続とUSB接続(Type-Cコネクタ)に対応しています。Bluetooth接続では4台のデバイスまで接続可能で、キー操作で接続デバイスを簡単に切り替えることができます。
Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-Sは、制御キー(ControlやAlt、CapsLockキーなど)の割り当てを変更できるDIPスイッチに加えて、「キーマップ変更機能」に対応しています。キーマップ変更機能では、制御キーに加えて文字キーの割り当てをユーザの好みに合わせて自由に入れ替えることができます。

本体カラーは墨モデル、白モデル、雪モデルの3種類があり、キー配列は英語配列と日本語配列があります。

また、英語配列の各カラーモデルと、日本語配列の雪モデルには、それぞれキートップにキーの刻印がない無刻印モデルも販売されており、打鍵に熟達したエキスパートを自負するユーザに愛されています。

また、多くの無線接続キーボードはリチウムイオンバッテリーを内蔵していますが、Happy Hacking Keyboardの給電には乾電池を使います。
リチウムイオンバッテリーは充電回数に上限があり、一般的には500回の充電が上限と言われます。上限以上の充電を行うとバッテリーが大幅に持たなくなるため、その際はメーカーでのバッテリー交換を行わないといけません。
長期にわたって使用されることを想定しているHappy Hacking Keyboardでは、ユーザ自身がバッテリーを交換できるよう乾電池での給電にこだわっています。また、内蔵バッテリーの充電時にキーボードに熱がこもって故障の原因となることも防いでいます。
配列 | 英語/日本語 |
---|---|
接続方式 | Bluetooth接続(4台登録可能) USB接続(Type-C) |
スイッチング方式 | 静電容量無接点方式(Type-S構造) |
キーカスタマイズ DIPスイッチ | 対応 |
キーカスタマイズ キーマップ変更機能 | 対応 |
カラー | 墨/白/雪 |
価格 | 36,850円(税込) |
英語配列・刻印あり
英語配列・無刻印
日本語配列・刻印あり
日本語配列・無刻印
Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID

続いてご紹介するのは、「Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID」です。
Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID、HHKBのハイスタンダードモデルであり、3万円前後で購入可能です。
キースイッチには、静電容量無接点方式のキースイッチが採用されています。こちらのキー構造は、Type-Sのように高速タイピング性(Speed)と静粛性(Silent)を強化したタイプではないため、その分価格が安くなっています。
キー構造以外はType-Sと同性能です。4台登録可能なBluetooth接続とUSB接続に対応しており、DIPスイッチに加えてキーマップ変更機能にも対応しています。
本体カラーは墨モデルと白モデルの2種類があり、キー配列は英語配列と日本語配列があります。また、英語配列モデルにはキートップにキーの刻印がない無刻印モデルもあります。
配列 | 英語/日本語 |
---|---|
接続方式 | Bluetooth接続(4台登録可能) USB接続(Type-C) |
スイッチング方式 | 静電容量無接点方式 |
キーカスタマイズ DIPスイッチ | 対応 |
キーカスタマイズ キーマップ変更機能 | 対応 |
カラー | 墨/白 |
価格 | 31,900円(税込) |
英語配列・刻印あり
英語配列・無刻印
日本語配列・刻印あり
HHKB Professional Classic

続いてご紹介するのは、「HHKB Professional Classic」です。
HHKB Professional Classicは、HHKBの原点をそのまま形にしたレジェンダリーモデルであり、税込で2万5千円程度で購入可能です。
キースイッチには、静電容量無接点方式のキースイッチが採用されています。
接続方式はUSB接続のみで、DIPスイッチによる制御キーの割り当て変更が可能です。
キーマップ変更機能には対応しておらず、キー配列も英語配列のみです。HHKBの哲学、伝統を継承したシンプルなモデルです。
本体カラーは墨モデルと白モデルの2種類があり、それぞれキートップにキーの刻印がない無刻印モデルもあります。
配列 | 英語 |
---|---|
接続方式 | USB接続(Type-C) |
スイッチング方式 | 静電容量無接点方式 |
キーカスタマイズ DIPスイッチ | 対応 |
キーカスタマイズ キーマップ変更機能 | 未対応😢 |
カラー | 墨/白 |
価格 | 26,950円(税込) |
英語配列・刻印あり
英語配列・無刻印
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