ゲーミングスマホと普通のスマホの違いを徹底解説!

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eスポーツはパソコンやPlayStationや、Xboxといったゲーム専用機だけではなく、みなさんが普段使っているスマートフォンでもプレイできます。

パソコンではeスポーツ向けのパソコンである「ゲーミングPC」が各社から発売されていますが、実はスマートフォンでもeスポーツ向けの「ゲーミングスマートフォン」が発売されているんです。

ゲーミングスマートフォン(ゲーミングスマホ)は、普通のスマートフォンと何がちがうのでしょうか。ゲーミングスマホがゲーム向きな理由を6つ挙げながら、詳しく&わかりやすく解説してみようと思います!

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実例で説明!ASUSの「ROG Phone」と「Zenfone 5Z」を比較

今回は、ASUS(エイスース)という台湾のメーカーの製品を例に挙げながら、ゲーミングスマホの特徴を紹介していきたいと思います。

比較するのは、ASUSのゲーミングスマートフォン「ROG Phone(アールオージーフォン)」と、同じくASUSの最もハイスペックな普通のスマートフォン「ZenFone 5Z(ゼンフォンファイブゼット)」の2つの機種です。

Photo Credit: ASUS Store

日本国内で公式に販売されているゲーミングスマホは、現時点(2019年2月)では、ASUSのROG Phoneだけです。

現時点の価格は、ROG Phoneが119,500円(税抜)、ZenFone 5Zが69,800円(税抜)です。

製品ROG PhoneZenFone 5Z
価格119,500円69,800円
発売日2018年11月23日2018年6月5日

ゲーミングスマホであるROG Phoneのほうが5万円ほど高いようですね。その理由はどこにあるのでしょうか?ROG PhoneとZenFone 5Zのちがいを、一つずつ見ていきましょう。

ゲーミングスマホがゲーム向きの理由1:計算が普通より速い!

スマホがさまざまなアプリを動かすときには、スマホ内部に搭載されている”脳みそ”を使って計算を行います。特に、PUBG(パブジー)やFortnite(フォートナイト)などの3次元空間を自由に走り回るようなeスポーツゲームをスマホでプレイするとき、スマホは膨大な計算を行っています。

スマホの内部に搭載されている”脳みそ”のことを「CPU(シーピーユー)」や「プロセッサー」といいます。複雑な計算を必要とするゲームをスムーズにプレイするためには、計算能力の高いCPUが必要です。

CPUにはさまざまなメーカーのさまざまな種類がありますが、ROG PhoneとZenFone 5Zはどちらも、Qualcomm(クアルコム)社の「Snapdragon 845(スナップドラゴン845)」という種類の、最高性能のCPUを搭載しています。

搭載されているCPUが同じなので、ROG PhoneとZenFone 5Zの計算速度はどちらも同じように思えます。しかし実は、そうではありません。ROG Phoneは、同じCPUでさらに高速に計算できる仕組みが組み込まれているのです!

ROG PhoneはCPUが「オーバークロック」されている

CPUの計算速度は「クロック数」という数字で示します。単位は「GHz(ギガヘルツ)」です。

Snapdragon845というCPUの最大のクロック数は2.8GHzです。「G」は10億という意味なのでSnapdragon845は1秒間に28億回計算できるという意味になります。

しかし、ROG Phoneの商品ページを見てみると、「最大クロック数 2.96GHz」という記載されています。Snapdragon845が出せる最大を超えていますね。

Photo Credit: ASUS

実は、ROG Phoneは、「オーバークロック」と呼ばれる特別な技術によって最大クロック数が強化されているのです。オーバークロック技術は、ゲーミングPCなどでも使われています。

皆さんもお仕事や勉強が忙しい時、コーヒーやエナジードリンクを飲んで”脳みそ”性能強化することがありますよね。ROG Phoneも高速の計算が必要なときには、オーバークロックによって”脳みそ”の性能をさらに引き出しているのです。

このように、ゲーミングスマホであるROG Phoneは、高性能モデルの普通のスマホよりも計算能力が高く、複雑な計算が必要なゲームに向いていると言えます。

製品ROG PhoneZenFone 5Z
CPU
(SoC)
Cualcomm
Snapdragon 845
Cualcomm
Snapdragon 845
最大クロック2.96GHz2.8GHz

ゲーミングスマホがゲーム向きの理由2:長時間プレイに耐えられる!

ゲーミングスマホであるROG Phoneは、普通のスマホであるZenFone 5Zより高速に計算できることがわかりました。ただし、高速に計算することで問題が発生します。それは、スマホが熱くなるという問題です。

スマホが熱くなりすぎるとCPUは性能を出し切ることができなくなり、計算速度が落ちてしまいます。みなさんも、”脳みそ”が疲れたときに頭が「ぼーっ」とするのを感じたことがありますよね。CPUも熱くなりすぎると計算ができなくなってしまいます。

eスポーツのゲームは普通のアプリよりたくさん計算をしないといけません。そのうえ、長時間連続でプレイされることが多いですよね。プレイ中はCPUが計算をし続けているので、スマホはどんどん熱くなってしまいます。

実はROG Phoneは、長時間ゲームをプレイしててもスマホが熱くならないよう作られています。

Photo Credit: ASUS

ROG Phoneは、発生した熱をどんどん冷やしてくれる作りになっています。また、発生した熱を外に逃がし、ROG Phoneに熱がたまらないように工夫されています。

ASUSは、昔から自作PC向けのパーツを取り扱っているため、パソコンやスマホの熱を冷やす冷却技術が優れています。この最高レベルの冷却技術があるからこそ、CPUの最大クロックを上げてもスマホを冷却することができるのです。

Photo Credit: ASUS

さらに、付属の「AeroActive Color」を使うことで冷却性能を上げることができます。こうした冷却へのこだわりがみられるのは、ゲーミングスマホならではと言えます。

どんなに高速な計算が必要なゲームを長時間プレイしても、スマホの性能を下げることがないように作られている。これがゲームに特化したゲーミングスマホの大きな特徴の1つなのです。

ゲーミングスマホがゲーム向きの理由3:画面がキレイでスムーズ!

さらに、ゲーミングスマホであるROG Phoneには、ゲーム用に高機能なディスプレイが搭載されています。

ZenFone 5Zにも最高級の液晶ディスプレイが搭載されていますが、ROG Phoneには「AMOLEDディスプレイ」と言われる有機ELディスプレイが使われています。有機ELディスプレイは、iPhone XやiPhone XSなどでも採用されている最新のディスプレイです。

Photo Credit: ASUS

有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイに比べて色の違いが表現しやすく、画面を早く動かしやすいという特徴があります。

色の違いが明確になると、暗い建物の中でも敵のキャラクターを見つけやすくなります。また、画面の動きが素早いため、敵のキャラクターの攻撃をいち早く確認することもできます。

また、ROG Phoneは、ディスプレイ自体が最新の強化ガラス「Gorilla Glass 6」で守られています。激しくゲームを楽しんでもディスプレイが傷つけることがなく安心です。

このように、ゲーミングスマホは、ゲームをプレイするために作られたディスプレイが搭載されているのです。

製品ROG PhoneZenFone 5Z
ディスプレイAMOLEDディスプレイ
Gorilla Glass 6
6.2型ワイド Super IPS+液晶 (LEDバックライト)
Gorilla Glass 3
解像度2,160×1080(フルHD+)2,160×1080(フルHD+)

ゲーミングスマホがゲーム向きの理由4:持ちやすくて音がクリア!

スマートフォン向けのeスポーツゲームは、画面を横向きにしてプレイするものが多いです。ゲーミングスマホであるROG Phoneは、横向きでのゲームを快適にプレイできるよう設計されています。

Photo Credit: ASUS

長時間ゲームをプレイしていると、バッテリ切れが気になります。充電をしながらゲームをする必要がありますが、充電ケーブルがプレイを邪魔することがありますよね。ROG Phoneでは充電中もゲームがしやすいように、本体の横から充電できるようになっています!

一方、普通のスマホであるZenFone 5Zは、他のスマホと同様に、スマホの下部に充電用の端子がついています。

また、ゲーム中の音は、ゲームの勝敗を分ける一因となります。ROG Phoneは、スマホを横向きに握っても手で塞いでしまわないよう、クリアなサウンドを再現する強力なスピーカーが前面に配置してあります。対戦型のゲームをプレイしているときに、敵の足音などを聞き逃さないよう配慮されているのです。

ゲーミングスマホは、ゲームの快適なプレイをとことん追求したデザインが施されていると言えます。

ゲーミングスマホがゲーム向きの理由5:高速インターネットに対応!

eスポーツでは、インターネットの速さと安定が勝負の勝敗を分けることがあります。例えば、対戦型のゲームでネットワークが不安定だったり速度が遅いと、相手が攻撃したという情報が遅れて届くことがあります。相手の動きをリアルタイムに把握するためには高速で安定したネットワークが必要になります。

ROG Phoneは「IEEE 802.11ad(アイトリプルイー802テン11エイディ)」という非常に高速なWiFiに対応しています。ZenFone 5Zが対応している「IEEE 802ac」というWiFiに対して、7.8倍高速なWiFiが利用できるのです。

ゲーミングスマホを使えば、普通のスマホでプレイしているユーザーよりも、すばやく戦況を判断でき、有利な状況を作りやすいと言えるでしょう。

製品ROG PhoneZenFone 5Z
ディスプレイIEEE802.11a/b/g/n/ac
(周波数帯域:2.4GHz/5GHz)
IEEE802.11ad
(周波数帯域:60GHz)
IEEE802.11a/b/g/n/ac
(周波数帯域:2.4GHz/5GHz)
最大速度6,800Mbps867Mbps

ゲーミングスマホがゲーム向きの理由6:「ゲーミングギア」でプレイ環境を拡張!

ゲーミングスマホであるROG Phoneでは、eスポーツを快適にプレイするための、専用の「ゲーミングギア」が充実しています。

Photo Credit: ASUS

たとえば、「TwinView Dock(ツインビュードック)」では、ディスプレイを2枚にしてゲームをプレイできます。ゲームが対応していれば、追加のディスプレイでマップやチャットを表示したままプレイを進めることができます。

また、「Gamevice for ROG Phone(ゲームヴァイスフォーアールオージーフォン)」はROG Phoneに装着することで物理的ボタンを使ってゲームをプレイすることができるようになります。

ゲーミングスマホは、普通のスマホではできない、eスポーツ専用のプレイ環境を作ることに向いているのです。

最後に:eスポーツにゲーミングスマホは必要?

今回は、ASUSのゲーミングスマートフォンROG Phoneと、ASUSのハイエンドスマートフォンZenFone 5Zを比較しながら、ゲーミングスマホの特徴について説明してみました。ゲーミングスマホは、eスポーツのゲームを快適にプレイするための様々な工夫や機能強化されていることをご理解頂けたでしょうか。

eスポーツのゲームは、みなさんが普段使っているスマートフォンでもプレイ可能です。ゲームの動きが遅くてプレイに集中できない、スマートフォンの反応が悪くてゲームに勝てない、といったことがない限りは、普通のスマホでもゲームを楽しめるでしょう。

ただし、スマホの性能によって、一瞬の判断による遅れが勝負を分けることもあります。eスポーツのプロゲーマーを目指したり、大会での勝利を目指したりするなど、本格的にeスポーツをプレイしたい人は、ゲーミングスマホの購入を検討するほうが良いでしょう。


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