eスポーツのゲームの中には、パソコンにインストールして行うゲームが数多くあります。ゲームをパソコンにインストールする前には、パソコンが、ゲームを動かすための機能を備えていることを確認する必要があります。パソコンに搭載されている機能を示すのが「スペック」です。
eスポーツに興味はあるけど、コンピュータゲームをやったことがない初心者の方は、「スペック」という概念のことがよくわからないかもしれません。そこでこの記事では、「スペックとは何か?」や、自分のパソコンのスペックの確認方法について、なるべく分かりやすく説明したいと思います!
1.ゲームをインストールする前には「スペック」を確認しよう
パソコンのゲームは、プログラムでできています。パソコンがゲームのプログラムを動かすためには、プログラムを動かすための”脳みそ”や”スペース”が必要です。脳みそやスペースが不十分だと、画面がカクカクしたり、途中でフリーズしたりして、快適なプレイができなくなります。
そこで、多くのゲームのインストール画面には、ゲーム会社が推奨するパソコンの性質(スペック)が書かれています。「これぐらいの性能のパソコンで遊んでね!」という指標です。性能が不十分であっても、まったく動かないというわけではありませんが、快適さは落ちます。
たとえば、人気のゲーム「Dota2」をインストールしたいと考え、インストール画面に行くと、次のような「システム要件」が書かれています。
「システム要件」に書かれているのは、脳みそやスペースの種類です。ほかのゲームでは、「推奨スペック」という表現で書かれていることもあります。
とはいえ、パソコンに詳しくない方の中には、「ここに書いてあることがチンプンカンプン…」と感じる方がいるかもしれません。そこで、次の章では、ここに書かれている意味を解説していきたいと思います。
2.「スペック」の各項目の意味を解説
先のDota2の「システム要件」に書かれている項目を詳しく見てみましょう。ここでは、3種類すべてのOSに共通して表示されている6つの項目について解説します。
・OS
あなたが確認すること:Windows?Mac?Linux?そのバージョンは?
「OS」とはオペレーションシステムのことで、パソコンの基本的な操作を行うためのシステムです。OSには主に「Windows」「Mac」「Linux」の3種類があります。さらに「Windows 7」「Windows 8」のように、同じOSでも異なるバージョンがあります。
ゲームによっては、最新バージョンのWindowsだけにしか対応していない場合などがありますので、自分のパソコンのOSがWindows、Mac、Linuxのどのバージョンであるかを確認したのち、プレイしたいゲームが自分のパソコンのOSに対応していることを確認しましょう。
以下に、自分のパソコンのOSおよびそのバージョンの確認方法を紹介します。
Windowsの場合:
1)画面左下の「スタート」ボタン(Windowsのマーク)をクリックします。
2)その状態で、キーボードで「dxdiag」と入力します。すると、以下のような画面が出てきますので、一番上の「dxdiag」をクリックします。
3)すると、「DirectX診断ツール」という画面が表示されます。ここにある「オペレーティングシステム」がOSの種類およびバージョンになります。筆者の場合は、「Windows 10 Home 64ビット」というOSであることが分かります(完)。
・プロセッサー(別名:CPU)
あなたが確認すること:CPUのメーカーは?クロック数やコア数?
「プロセッサー」または「CPU」とは、パソコンの様々なプログラムを行う”脳みそ”にあたります。性能が良いほど、頭の回転が速いといえます。性能の良さは、1秒間に何回命令できるかによって決まります。その回数は「GHz」という単位で示され、「クロック数」と呼ばれます。クロック数が2GHzであれば、1秒間に20億回の命令を出し、3GHzであれば、1秒間に30億回の命令を出します。
また、処理を行う回路のことを「コア」と言います。一つのCPUには2つのコアが入っている場合や、4つのコアが入っている場合があります。コアの数が多いほど処理が速くなります。
ゲームによっては高い処理能力が必要となる場合があるため、自分のCPUのメーカー、クロック数やコア数が、プレイしたいゲームに対応できるかを確認しましょう。
以下に、自分のパソコンのCPUの確認方法を紹介します。
Windowsの場合:
1)画面左下の「スタート」ボタン(Windowsのマーク)をクリックします。
2)その状態で、キーボードで「dxdiag」と入力します。すると、以下のような画面が出てきますので、一番上の「dxdiag」をクリックします。
3)すると、「DirectX診断ツール」という画面が表示されます。ここにある「プロセッサ」がCPUの種類になります。筆者の場合は、「Intel(R) Core(TM) i5-8250U CPU」というCPUであることが分かります(完)。
先のDota2のシステム要件の場合では、「Intel社のデュアルコア(2つのコア)のCPUか、AMD社のクロック数2.8GHzのCPU」を推奨していました。
Dota2をインストールする場合は、自分のCPUがIntel社のものと分かった場合はコア数を、AMD社のものだとわかったらクロック数を確認し、システム要件を満たしているかをチェックする必要があるということです。
・メモリー(別名:RAM)
あなたが確認すること:何GBか?
メモリー(RAM)とは、プログラムを実行するための作業スペースです。私たちが学校の宿題やパソコンで作業を行うとき、自分の脳みそだけでなく、ノートを広げたりパソコンを置いたりするスペースが必要ですよね。それと同じように、パソコンの脳みそが作業を行うときにもスペースが必要なのです。スペースの広さは「GB(ギガバイト)」という単位で示されます。
「MB(メガバイト)」で表示される場合もありますが、その際は1024MB=1GBで計算しましょう。
以下に、自分のパソコンのメモリーの広さの確認方法を紹介します。
Windowsの場合:
1)画面左下の「スタート」ボタン(Windowsのマーク)をクリックします。
2)その状態で、キーボードで「dxdiag」と入力します。すると、以下のような画面が出てきますので、一番上の「dxdiag」をクリックします。
3)すると、「DirectX診断ツール」という画面が表示されます。ここにある「メモリ」がメモリーの広さになります。筆者の場合は「8192MB」であることが分かります。1024MB=1GBとなるため、GBに換算すると、8192÷1024=8GBになります(完)。
・グラフィックボード(別名:ビデオカード、GPU)
あなたが確認すること:メーカーや種類
グラフィックボードとは、画像の処理に特化した脳みそです。ゲームは、三次元空間を描画したり、細かい画像をリアルタイムで動かしたりするなど、画像の処理にかなりの労力が必要です。そこでCPUとは別に、画像の処理に特化したグラフィックボードがあるのです。
ゲーム用のパソコン(ゲーミングPC)のグラフィックボードには、Windows、Linux用の「nVidia GeForce」とMac用の「ATI/AMD Radeon」の2種類があります。さらに、2種類の中にもいくつかのバージョンがあります。ゲーミングPCでない場合は別のグラフィックボードが搭載されていることがあります。
以下に、自分のパソコンのグラフィックボードの種類の確認方法を紹介します。
Windowsの場合:
1)画面左下の「スタート」ボタン(Windowsのマーク)をクリックします。
2)その状態で、キーボードで「dxdiag」と入力します。すると、以下のような画面が出てきますので、一番上の「dxdiag」をクリックします。
3)すると、「DirectX診断ツール」という画面が表示されます。左上に「システム」「ディスプレイ」「サウンド」「入力」と並んでいます。このうちの「ディスプレイ」をクリックします。
4)すると、次のような画面が表示されます。左上部の「デバイス」内にある「名前」の部分が、グラフィックボードの種類になります。筆者の場合は「Intel(R) UHD Graphics 620」というグラフィックボードであることが分かります。
筆者のパソコンはゲーミングPCではないため、先に紹介したゲーム用のグラフィックボードは搭載されていません。それでも、ゲームはそこそこ動きます(完)。
・ストレージ
あなたが確認すること:何GB空いているか?
ストレージとは、ゲームをインストール、データの保存、アップデートなどを行うときに必要なスペースです。メモリーと同じように、このスペースの広さは「GB(ギガバイト)」で示されます。ストレージの広さが足りないと、ゲームをインストールすることができません。
ストレージは、ほかのアプリケーションや文書ファイル、音声ファイルなど、パソコンにインストール・保存されているさまざまなもので埋まっています。ストレージが足りないときは、ほかのアプリケーションやファイルを削除して、容量をあけましょう。
以下に、自分のパソコンのストレージの空き容量の確認方法を紹介します。
Windowsの場合:
1)画面左下の「スタート」ボタン(Windowsのマーク)をクリックし、「Windowsシステムツール」内の「エクスプローラー」をクリックします。
2)すると、次のような画面が表示されます。もし違うフォルダが表示された場合は、左のメニューから「PC」を選んでクリックしてください。
画面下の「デバイスとドライブ」の中にある「Local Disk(C:)」の部分に「空き領域」が書いてあります。これがストレージの空き容量になります。筆者の場合は、194GBの空き容量があることが分かります(完)。
※パソコンによっては「Local Disk(C:)」ではなく「Windows(C:)」や「ローカルディスク(C:)」などと表示されている場合があります。
・ネットワーク
あなたが確認すること:光回線?Wi-Fi?
ネットワークとは、インターネットの種類です。インターネットの速さは、オンラインゲームのスムーズな動きに関係します。
インターネットの速さは、光の速度で伝わる「光回線」や、光よりは遅い電磁波の速度で伝わる「Wi-Fi」などがあります。Dota2のシステム要件に書いてあった「ブロードバンド」とは、ざっくり「光回線」のことだと考えてよいです。
Wi-Fiなどでもプレイできないことはないですが、敵や自分のリアルタイムな動きを画面に反映させるためには、光回線かつ、ケーブルを使った有線の接続が、もっとも速いインターネット環境だと言えるでしょう。
ゲームが推奨しているスペックの環境でゲームを行うことで、より快適にプレイができます。ゲームをインストールする前には、ぜひスペックをチェックしてみてくださいね!
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